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RUKAの雑記ノート(現在休止中)

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ドナテッロのダビデ像

以前このブログで、ギリシャ神話の三美神とアングルの泉の置物を買ったことを書きました。
2013年6月1日の記事「ギリシャ神話の三美神」
2013年10月4日の記事「アングルの泉」

ドナテッロのダビデ像_c0039181_14242435.jpg
これらはいわゆる神話の女神を表現した彫像、を模した置物。
宗教的な感情が無くとも、インテリアグッズとしてかなり癒されるものだと思います。

ドナテッロのダビデ像_c0039181_14213572.jpgそんな女神の彫像といえば、もっとも有名なのは「ミロのヴィーナス」でしょう。エーゲ海南西部に位置するミロス島で1820年に発見された作者不詳の彫像。(画像はウィキメディア・コモンズより)

しかし私にはミロのヴィーナスはそんなに好きな彫像ではありません。芸術的価値や歴史的価値が高いのは認めますが、女性の姿として魅力的であるかというと、そうでもないような気がします。
下半身に布をまとっているところも私のイメージする女神とは若干違います。
あくまでも私の好みに照らし合わせればですが。


ドナテッロのダビデ像_c0039181_14293363.jpgさて、ミロのヴィーナスとよく対比される彫像といえば、ミケランジェロ作の「ダビデ像」ですね。
女性の裸体像の代表がミロのヴィーナスであるなら、男性の裸体像の代表はダビデ像でしょう。(画像はウィキメディア・コモンズより)

しかし私はこのダビデ像もあまり好きではありません。
まず何よりもこの厳つい表情、筋肉質な体、石を握りしめた姿がある種の緊張感を感じさせるからです。

もちろん巨人ゴリアテに戦いを挑む勇者ダビデの姿ですから、この表情や体格はもっともだと思いますが、見た目に美しいかといえばそうでもないような気がします。
もともと下から見上げることを想定して頭や上半身が大きめに作られているので、真横から見たときに全体のバランスが悪いのも気になる点です。
まぁこれもまた好みの話ではありますが。


最近、自分の部屋の飾り物を眺めていて、ヴィーナス(ギリシャ神話なので正確にはアフロディーテですね)を飾っているならダビデもあったほうが良いのではと思い、ダビデ像の置物をひとつ買ってみることにしました。
しかし先ほども言ったようにミケランジェロのダビデ像はあまり好きではないので、買うならそれ以外のダビデを選びたい。

じつはダビデ像には複数の作者による複数の作品が存在します。
おそらくほとんどの人がダビデ像と聞いて思い浮かべるのは、上記のミケランジェロの作品でしょう。

しかし彫刻家「ドナテッロ」が1440年頃に制作したダビデ像も、それは素晴らしいものです。
ミケランジェロのダビデ像よりも50年以上前の作品です。

ドナテッロのダビデ像_c0039181_15502397.jpg
【ドナテッロのダビデ像】
(フィレンツェ/バルジェロ美術館所蔵)

ミケランジェロのダビデ像がたくましい成人男性として造られているのに対し、ドナテッロのダビデ像はまるで少年のよう。
体は細く華奢(きゃしゃ)でおっとりとした風貌。髪は長く、オシャレな帽子をかぶり、たくましさは微塵もありません。股間には陰毛もなく、完全に少年の姿をしています。
同じ題材でも表現する作者によってここまで変わるんですね。芸術とは面白いものです。

このダビデ像の置物が販売されていたので、買うことにしました。
フィレンツェのバルジェロ美術館に所蔵されている実物と、これを模した置物の両方の写真を比べてみると・・・

ドナテッロのダビデ像_c0039181_15502397.jpg ドナテッロのダビデ像_c0039181_1551853.jpg

ドナテッロのダビデ像_c0039181_15502887.jpg ドナテッロのダビデ像_c0039181_15511159.jpg画像左側が実物(高さ約160cm)
右側がそれを模した置物(高さ約30cm)


(画像はウィキメディア・コモンズとAmazonから引用)

パッと見た感じでは、小さな置物と言えど、形はほぼ忠実に再現されているように思います。
本物はブロンズですが、この置物はレジンの上からブロンズ風の塗装を施しているだけです。レプリカと呼べるほどのものでもありませんが、かといってオモチャっぽい作りでもなさそうです。

ボディの色が金粉ショーみたいなのがちょっと不満ですが、すでに持っている女神像と高さがほぼ同じというところが気に入ったので注文してみました。
アメリカのフロリダからの発送で、途中税関等を通るので到着までに約2週間を要するそうです。


さて2週間後、私のもとに現物が届きました。
綺麗な青い箱に収められており、パッケージには「これはオモチャではありません。12歳未満の子供には適していません。」というようなことが英語で書かれていました。

手にとってみると意外にも本物のブロンズのような造りで、安っぽさはまったく感じません。
色もサンプル画像では金色でしたが、実際には銅の色というか、古くなった10円玉の色というか、それでいて光沢もシッカリしています。
塗装でここまで金属っぽさが出せるんですね。

ドナテッロのダビデ像をほぼ再現しており、一般家庭で飾る分には申し分ないレベルです。
さっそく泉のヴィーナスの隣に飾りました。

ドナテッロのダビデ像_c0039181_16192230.jpg
かたや大理石風、かたやブロンズ風。
このヴィーナスは10代後半~20代前半の女性、このダビデは10代前半の少年といったところでしょうか。(そのように見えるという意味で)

ドナテッロのダビデ像_c0039181_16192871.jpg
後ろはこのようになっております。
人間のDNAについて考えてみたくなりますね。

by rukachas | 2014-05-25 12:29 | モノの話