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RUKAの雑記ノート(現在休止中)

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30年前のラジカセ 東芝アクタスパラボラ(RT-2800)

30年前のラジカセ 東芝アクタスパラボラ(RT-2800)_c0039181_1355231.jpg7月23日の記事で、懐かしのラジカセをヤフオクでゲットし損なったことを書いたが、その後同じ機種が出品されているのを再び見つけ、今度は無事に落札することができた。
残念ながらマイクを挿して使うパラボラが欠品で、テープ駆動部が完全なジャンクだったが、それでも懐かしいこのラジカセをゲットできたことは、私にとっては大きい収穫だ。

入金した翌日に宅急便で送られてきたRT-2800は、30年前の製品とは思えないほどキレイな状態だった。所々に小さなキズはあるものの目立つほどではなく、ボディ内部にホコリも積もっていない。
もっと使い倒した、使用感がハッキリ表れたものを想像していたのだが、ここまでキレイだとかえってちゃんと鳴るかどうか不安だ。キレイなのは、壊れていて使い物にならなかったから、ということもあるので。

電源コードを繋ぎラジオのスイッチを入れた。ラジオは全く問題なし。MW(AM)、SW(短波)、FM共に、昔私が使っていた時と同じ感覚で受信できた。チューニングスケールのズレもほとんどなく、ラジオに関しては劣化を全く感じさせない。

30年前のラジカセ 東芝アクタスパラボラ(RT-2800)_c0039181_1355138.jpgしかし問題はカセットテープの駆動部。始めからジャンクだと分かっていたが、やはり再生ボタンを押しても走らない。
ボディを開けてみると、モーターやキャプスタン周りのベルトがことごとく崩壊していた。いや崩壊というよりも「融解」だ。トロトロに融けていた。
ゴム製であるはずの1.2mm幅の黒いベルトが、まるでチョコレートやコールタールのような物質に変化していた。

これを取るのが一苦労。ちょっと触れただけで指にベッタリと付き、質感は完全な油。プーリーの奥の奥にも深くこびり付いており、綿棒にクリーナーを浸して地道に拭き取る作業に二晩を要してしまった。
ベルトの劣化は古いオーディオ製品の宿命みたいなものだが、私が使ってきたラジカセやビデオデッキはベルトが硬化して切れたりボロボロになったことはあったが、このようにトロトロに融けたというのは初めて見た。
もしかしたら、動かさずに放置しておいたゴムベルトは、経年変化でこうなるのだろうか?

とにかくベルトさえ交換すれば直りそうなので、秋葉原の「千石電商」で同じ寸法のゴムベルトを6本購入。これを取り付け、とりあえず無事に駆動するようになった。テープ速度にも問題はない。
ただ巻き取り軸のテンション機構、と言うのかなんと言うのか、テープの巻きに適度なテンションを与えるパーツが劣化して、動きが固くなっている。これにより早送りのときだけフルオートシャットオフが効かないという不具合が出たが、これは部品不足でどうしようもないので諦めた。

録音再生、外部入力、ワイヤレスマイクなど各種機能をひとつひとつ確認したが、ほぼ正常に動作した。あとは隅々まで奇麗に掃除するだけだが、これは包みを開けたときからボディがとにかくヤニ臭かった。前のご主人がヘビースモーカーだったのかもしれない。
私はタバコを吸わないのでヤニ臭さは特に堪え難い。筐体の外側とツマミ類を中性洗剤を溶かした湯に数時間浸け、ブラシで洗浄。組み立てた後には綿棒と泡状のクリーナーを使って、ボディ全体を念入りにクリーニングした。
最終的には、過去に私が捨てたときよりもシッカリとしたRT-2800に仕上げることができた。(最初の写真)

当時のラジカセを思い起こしてみると、ほとんどの機種にバー状の取手があり、操作部が上面に付いていたのに対し、このラジカセはショルダーベルトで持ち運び、操作部がほとんど前面にあるという斬新なデザインだった。
当時中学生になったばかりの私にとって、ラジオやラジカセは今のパソコンモニタのように、机に向かったときに自然と正面に位置する物だった。ならばツマミなどが本体前面に配置されるのが自然だと思うが、何故か当時のラジカセは(今もかな?)申し合わせたように操作部が上面に付いているものばかり。
初期ラジカセの研究室」というサイトで古いラジカセの写真が紹介されているので、見比べてみるとよくわかる。

現在のラジカセよりもプラスチック成形が分厚く丈夫で、ガッシリとした質感がある。デザイン的にも筐体の細かな装飾やツマミ類の配置が見事で、当時の開発チームの意気込みを感じた。
私がどうしても欲しかったオールドラジカセはこの機種だけだが、これを手に入れたことで、近所のリサイクルショップに並ぶ他のラジカセも、今後気になってしまいそうだ。
by rukachas | 2006-08-15 13:56 | 電気製品の話