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RUKAの雑記ノート(現在休止中)

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子供に死を教えない親たち

悲しみの天使福岡県のとある小学校で、5年生の担任の男性講師が授業で自殺の方法について言及したとして、学校側と講師が生徒の親に謝罪したというニュースがあった。asahi.comの記事から一部を引用。
asahi.com 5月30日の記事

----- ここから引用 -----
学校の説明によると、担任は28日、国語の授業の冒頭で自殺について触れた。「睡眠薬と多量のアルコールを一緒に飲むと死んでしまう」「投身や溺死(できし)、練炭を使うこともある」などと述べた。そのうえで、「みんなの誕生は多くの人の喜びの中で迎えられた。命を大切に力強く生きてほしい。自殺はしてはいけない」と自殺の防止を訴えた。
担任は学校側に対し、「児童から『こわい話をして』と要望されていた。フリーアナウンサーの自殺を想起し、話した」と事情を説明した。
----- ここまで引用 -----

児童から話を聞いた保護者が県の教育委員会に「先生が授業で自殺の方法を話した」と通報したらしいのだが、私はこれを読んで「またバカ親のクレームか」と正直やるせなくなった。

イジメなど他人の命を軽視したり、自分の命を捨てようとさえする小中学生も少なくないこの現代、この講師がおこなったことは、生徒に自殺への嫌悪感を持たせるためにも有意義なことだ。
「人はこうすると死んでしまう」という情報は、5年生にとっては立派な人間学習。生徒から「なにか怖い話して」と言われたのなら、ありもしないオバケ話をするよりも、人間の命はこんなことで終わってしまう、それこそ怖いことだ、と教えることは教育者としてなんらおかしなことではない。

もしこの子らが家庭で自殺のニュース報道などを見たとき、父親に「自殺って他にどういうのがあるの?」などと質問したら、おそらく大部分の親は「そうだなぁ、首吊りとか飛び降りとか・・・あと焼身自殺する人もいるなぁ」という感じで普通に話すことだろう。講師が授業で話したときだけNGとする理由はない。
「睡眠薬と多量のアルコール」「密閉された部屋で練炭を使うと死に至る」という情報は、小学生でもぜひ知っておくべき知識だ。

このようなことにクレームを付ける親は、「死」「犯罪」「性」などの情報をシャットアウトすれば真面目な子供が育つとでも思っているのだろうか?むしろ情報を選り分けたり判断する能力が育っていかない分、思春期を過ぎたあたりで道を踏み外しやすくなるというのに。

ショックを与えるから、子供は知らないでいて欲しいからという理由だけで人間社会の真実を教えない困った親たち。そうしているあいだにも、子供たちはテレビや雑誌などの様々なフィクションに影響を受けている。
自殺の方法を教えたからといって文句を言っている親たちは、道徳教育とは死の概念をも含んだものであるということを知っておいてほしい。
by rukachas | 2008-05-31 14:14 | ニュースの話