
1ヶ月も前の記事だが、アメーバニュースの3月15日の記事。ある主婦が「Yahoo!知恵袋」に書き込んだ記事に賛否両論がわき起こった、というニュース。
「子供がうるさいのは当り前、注意される筋合いない?」
ことの発端は、バスの中で自分の子供が泣きだしたときに乗客の中年男性から「うるさい!黙らせろ!」と注意された主婦が、Yahoo!知恵袋に「子供がうるさいのは当たり前、注意するのはおかしい!」と書き込んだことから始まる。
「うるさいのが当たり前だと言って放っておくのは親として無責任」という意見が大多数なのに対し、この主婦は「子育てをしたことがない人は回答しないで欲しい。・・・私は注意するのは絶対におかしいと考えているだけです。・・・子供にうるさいと言う人が許せないのです」と答えている。
私はこのニュースとYahoo!知恵袋の実際の投稿記事を読んで、ハッキリとこう思った。「注意した中年男性も愚かなら、この主婦もかなりの愚か者だなと」
まず注意した男性だが、バスの中とはいえ、その子供はふざけて走り回ったりイタズラをしているわけではない。泣く理由があって泣いているのだ。「どうしたの?」「我慢しようね」と話しかけるとか、親に「泣き止ませた方が良いですよ」とやんわりと話せば良いのに「うるさい!黙らせろ!」だなんて、言われたほうがカチンと来るのは当然。
子供が泣いている理由を考慮しないこの男性の行動はてんでなっていない。
だがこの主婦もまるでなっていない。子供が泣いている場所を考えるべき。泣き声で迷惑をしている人がいるのだから、親として子供に言ってきかせるなり、たとえ泣き止まないとしても泣き止ませる努力をするべきだ。
それを「子供がうるさいのは当たり前、注意するのはおかしい!」と堂々と言い切るとは、しつけを放棄しているバカ親と言われても仕方がない。
子育ては、怒鳴って威圧するのではなく「諭す」のだ。甘やかすのではなく「優しくする」のだ。この男性は諭さずただ怒り、この主婦は優しいのではなくただ甘やかしているだけ。
どちらも子供のためを考えていない大人、ということになるが、直接子育てをしているだけにこの主婦の行動のほうが問題としては大きい。
親の中には、しつけと虐待の区別、そして優しさと甘やかしの区別がついていない者がいる。
事件報道で話題にのぼる「しつけと称した体罰」は、じつは「気分任せの虐待(イジメ)」であり、また、子供をまるでペットのように愛玩する親も、愛情を与えているようでじつは「気分任せの甘やかし」であることが多い。
子供を虐める親も子供を甘やかす親も、どちらも親としては失格だが、そういう親ほど得てして前述した主婦のように「子育てをしたことがない人は回答しないで欲しい」という意識を持っているものだ。
しかしこのような意識が、子育てにおける井の中のカワズ状態を作り上げている。子育ての外側から見える客観的な意見を無視して、正しい子育てはできはしない。
子育ての苦労はたしかにあるが、子供から得るものも大きい。良い子を育て上げるためにも、子供に詳しい人の意見を聞き、子供の意見も聞き、将来の我が子の身になって子育てをしよう。それが自分の幸せのためでもあるのだから。