遠い昔、中学生だった私を大いに魅了した西洋絵画、アングルの「泉」。
教室に貼られていたアングル展のポスターで知ったこの作品は、他のどの絵画よりも魅力的でした。
ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル作 「泉」
(1820-1956年 / パリ・オルセー美術館)
魅了されるのも当然。
この絵は彫像「ミロのヴィーナス」と同じく、人間がごく自然に美しいと感じる比率「黄金比」により構成されているからです。
黄金比(1:1.618...)による完璧なまでの安定感と美しさ。
出典:
「at home 教授対談シリーズ こだわりアカデミー」(3ページ目)以前ご紹介した「三美神」の置物はオリジナルが彫像ですから、ミニチュアの置物が存在することは容易に想像できますが、では絵画であるアングルの泉は彫像にはなっているのでしょうか?
疑問に思って検索したら、どうやら日本にもそれを模した彫像があるようです。
富山県稲葉山の宮島峡県定公園に設置された彫像。
出典:
宮島峡のヴィーナス (前編)元が絵画ですからレプリカというよりも「泉」をモチーフにして作った彫像ということですね。
この「泉」の彫像のミニチュア、つまり置物はないのかと探してみましたら、とある輸入雑貨店で売られているのを1品だけ見つけました。
商品のページにはアングルとも泉とも書かれておらず「ギリシャ女神 ヴィーナス」と記されていましたが、アングルの泉を模していることは一目瞭然。
私には決して安くない値段でしたが、あのアングルの泉を3Dで見れるとなれば喉から手も出ます。
少し考えた末、思い切って買ってみました。
アングルの泉と比べてみると、体が若干細め、胸からおヘソにかけての溝が目立つ、顔が可愛くないなどいくつかの違いが見受けられますが、よく再現しているほうだとは思います。
しかし体型的には泉のヴィーナスというよりもアメリカのグラビアモデルって感じですね。元の絵はお腹がポコンと出ていて脚も太めですが、これはナイスバディ過ぎる気がします。
白いオブジェなので、瓶から流れ出る水がドロドロの白濁液っぽく見えるのがなんだかな~ですが、まぁ邪念を捨てて眺めればそれなりに癒し系。
なにより360度あらゆる方向から眺められるのは彫像の最大の利点。それだけでも買った意味はあったというものです。後姿はこんなでした。
アングルも描かなかった「泉」のヴィーナスの後姿を見たいと思うなど、お月見の夜に月の裏側を見たいと思うくらい野暮なことなのかもしれません。
でもせっかく買ったんだし、今夜はヴィーナスの後姿でまったりお月見といきますか・・・
~~且(´ω`)