今月、ヤフオクでブロンズ像を落札しました。
フランスの彫刻家オーギュスト・モロー(1834 - 1917) の「少年と小鳥」という作品。
もちろんレプリカ(複製品)ですよ。
高さ約70cm、重さ約12kgの真鍮製で、台座は大理石でした。
上の画像に写っているのは私が落札したものではなく、海外のオークションサイト「eBay」に出品されていた同形同サイズの品。
本来はこういうものですよという説明のために載せてみました。
出品者によっても違いますが、日本円で大体10万円ほどの値が付けられていました。(オークションなので落札時にはもう少し高くなると思います)
ところが、私がヤフオクで落札したブロンズ像はそれよりもずっと安いものでした。
それもそのはず、どうやらじゃっかん難あり品だったようです。
私もある程度は予想していましたし、安いなりの難は受け入れるつもりでいましたが、送られてきた現物を見て「なるほどな」と思いました。
まず目についたのは錆(さび)。全体が錆に覆われて真っ黒でした。
商品ページに掲載されていたこの画像を見たとき、写真の写りが暗いだけかと思っていましたが、現物も本当に真っ黒でした。
鉄と違ってブロンズはあえて錆びつかせることで内部の腐食を防いでいるのですが、それにしてもこれは錆び過ぎというか汚れ過ぎというか、撫でると手が真っ黒になるほどでした。
購入後真っ先におこなったのはこの錆を落とすこと。
真鍮磨きに最適なクリーナー液「ピカール」を使い、毎日少しずつサビ落とし。
これはまだ途中の状態ですが、とりあえず地肌は出せました。
いつ頃作られた像なのか、またこれまでどんな保存状況だったのかもわかりませんが、このての汚れはなかなかしつこいですね。
ところどころ斑(まだら)に侵食していて、ちょっとこすったくらいでは落ちません。
一旦錆を全て落とせば、あとは経年変化により表面に新しい錆ができ、味わい深い色合いが出るんじゃないかなと思うんですが、まぁしばらくは地道な作業になりそうです。
じつはこのブロンズ像、汚れているだけでなく元々の造形もディテールが甘く、粗が目立つものでした。
鋳型の合わせ目の後処理が適当で、頭の側面などは継ぎ目がハッキリと出ています。
しかも木の枝にとまっている鳥が、本来なら斜め上を向いていなければならないのに斜め下を向いてしまっています。
おそらく前のオーナーが倒したかなにかで枝の部分を折ってしまい、その後付け直したときに角度を間違えてしまったんでしょうね。
そのためオリジナルでは少年と鳥が見つめあっているというシチュエーションなんですが、これはそっぽを向いているというお粗末さ。ヽ(´・`)ノ
まぁ鳥がいてもいなくてもどっちでもいい私としては、気になることではないですが。
出来としてはレプリカのレプリカといった感じですが、少年の姿かたちはオリジナルとそう大差はないようで、個人的には安価で良いものが手に入ったと感じています。
サビ落としも手間は掛かりますが、その手間が愛着を生みますからね。
ただ、1箇所だけ「なんじゃコリャ?」と面食らったところがありました。
なんとこの像、ヘソがないんです!Σ(゚д゚;)
ここまで再現していて何故ヘソを付けなかったのか!そんなレプリカあるかい!
・・・と思いながら同形の品をネットで検索してみると、なんとこれと同じくヘソのない像を見つけてしまいました。
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F&R Bronze海外の販売サイトにあったこの像にもヘソがありません。
花の形のライトで装飾してありますが、それ以外は大きさも約70cmあり、私のとほぼ同じ。
もしかしたらこの商品と私が落札した商品は、同じ型から製造されたのかもしれません。
ヘソがないのは意図的になのか?単に造形し忘れただけなのか?・・・謎多き少年像。
いくらヘソがないと言っても、うちは薬局ではないので出入り口には置けませんね。
元ネタ古過ぎか。(^^;)
「コルゲンコーワ CM」