人気ブログランキング | 話題のタグを見る

RUKAの雑記ノート(現在休止中)

rukachas.exblog.jp
ブログトップ

その昔、ソ◯マッ◯にて... その1

その昔、ソ◯マッ◯にて... その1_c0039181_0261170.jpg店はただの商品陳列場ではないし、店員はただ商品を売るためだけにいるのではない。店員に限らないが、店に携わる人間の対応一つで、その店の印象が大きく変わることがある。

私は10年ほど前、自宅から電車で3駅ほど離れたところにあるパソコンショップ、ソ◯マッ◯によく通っていた。そこが自宅に一番近い大型店だったからだ。ほとんど常連と化し、ソフトもハードもいつもその店で買っていた。
ある日、メインで使っていたAppleのモニタが壊れたので、その店でソニーの17インチCRTモニタ、MultiScan 17sf9を購入した。

ところが使ってから2日目、ある不具合に気がついた。黒レベルの色合いが極端に赤茶系に偏り過ぎている。CRTはブラウン管表面の色が、完全な黒を表示したときの色になる。この色自体は正常だが、少し明るい黒や暗い灰色を表示すると、完全に赤茶けて見えるのだ。簡単にいえば、黒髪の女性が茶髪の女性に見えてしまうということ。
OS側のキャリブレーションである程度の調整はできるが、このモニタの場合はデフォルトの状態で明らかに違和感を感じるほどだった。つまり完全な初期調整不良だったというわけ。
さらに、パソコンをスリープ状態にしたときに前面のランプが緑からオレンジ色に変わるはずなのに、それが変わらないという不具合も見つかった。ランプのほうは大したことではないが、色合いがおかしいのは非情に困る。さっそく店に電話し、新品と交換してほしいと頼んだ。

すると店側は、送料自分持ちで店まで送ってほしいと言う。取りに来てはくれないのかと訊くと、それはできないと言う。初期不良なのになんでこっちがわざわざ・・・とも思ったが、仕方がないので後日店まで持っていくことにした。しかし箱ごとだとかなりの大きさなので、RV車を持っている知り合いに頼んで運んでもらった。

返品した当日、私はてっきり新しい製品をすぐに手渡してくれるものだと思っていた。ところが30分ほど待たされて返ってきた言葉は「見たところ異常がないので、このままお持ち帰りください」だった。
おいおい冗談じゃない。買って2日目で不具合が見つかったってのに、このまま使い続けろだなんて納得いかない。安いテレビじゃないんだから、映りゃあそれでいいってわけにはいかない!
明らかに初期調整がうまくなされていないと説明しても、担当者は「ちゃんと映ってますよ」の一点張り。私が納得しないと見るや担当者は「じゃあこっちに来てください」と、店のカウンターの横を通り、私を奥の一角へと案内した。
そこは持ち込まれた製品の修理や調整をしている場所だった。私が持ち込んだモニタにはテスト用のPower Mac 6100が繋がれていて、明るめのデスクトップパターンが表示されていた。担当者は画面を指差し、ほら何ともないでしょう?とでも言いたげな表情。

私は「いや、こういう白系ではなく、黒系の色合いがおかしいんですよ。暗い部分が赤茶けちゃってるんですよ。だからそういう画像でチェックを...」と説明したが、担当者はこのMacには黒系の画像が入っていないと言って、一向に表示してくれない。かろうじて薄暗いデスクトップパターンがあったのでそれを表示してみたが、店の明るい照明の下では色合いがハッキリとは確認できない。ここは店の中だから暗くするわけにもいかないしねぇ・・・と担当者。

まるでクレーマーのように見られていることもシャクだったが、このままこの不良品を持ち帰ることになるほうがもっとシャクなので、私はなおも食い下がった。するとしばらくして私のもとに店長がやってきた。お客様相談カウンターのような所に移動して2対1で15分ほど話をするが、店長もこのまま持ち帰らせたいようで、話は一向に平行線のまま。
するとしばらくして、店長はおもむろにこう言った。「じゃあわかりました。初期不良品ということで交換しましょう!」

私は、やっと理解してくれたかとホッと一安心。だが間髪入れず、店長はこう言い放った。「その代わり、取り替えた製品がもし故障したとしても、私どもは保証期間内であっても修理は一切お受けしませんが、それでもいいですか?」と。つまり、交換してやるがその代わりリスクを負えよ、ってことでしょう。
私は一瞬戸惑ったが、2台続けて初期不良品を手にすることは無いだろうと、二つ返事でOKした。次の瞬間、店長のちょっといらだった声が響いた。「◯◯君!(店員の名)在庫から1台出してきてっ!」

私は店員が運んできた新しいMultiScan 17sf9を受け取り、待ちくたびれた知り合いの車に乗せ家路についた。家に帰って早速チェックしてみると、以前のような色の不具合はまったく出ていない。黒がきちんと黒として表示されていて正常そのもの。前面の緑のランプもスリープ時にはちゃんとオレンジ色に変化した。やはり前のモニタは初期不良だったのだ。多少ねばってでも交換させて本当に良かったと、私は胸を撫で下ろした。

ただ、故障してもその店では修理しないという約束は、確かに一抹の不安だった。だがこんな私の不安をこのモニタは察知したのだろうか、なんと買ってから1度も壊れることなく、9年近く経った今でも現役で稼働している。多少フォーカスが甘くなった気もするが、画像を扱う者にとって色合いが変わらないというのは頼もしい。(↑の写真は未だ現役の17sf9)

店員と店長の対応があまりに投げやりで不誠実なものだったため、私はこの一件以来、ソ◯マッ◯そのものに不信感を持つようになってしまった。あれほど行っていた店には一度も足を運ばなくなったし、ネットショッピングもソ◯マッ◯から買うのを避けていたほどだ。

ところが2002年のある日、パソコンの修理を巡って秋葉原のソ◯マッ◯からとても誠実な対応をされ、それまであったソ◯マッ◯に対する不信感が一気に吹き飛んでしまった。
文章が長くなったので、これについては次回。
by rukachas | 2005-10-02 00:28 | 電気製品の話