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RUKAの雑記ノート(現在休止中)

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核P-MODEL 回=回

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核P-MODELのCD「回=回」を購入した。

「回=回」は平沢 進さんによる「核P-MODEL」名義での3作目のアルバム。
ライブ版も入れると4枚目になるが、スタジオアルバムとしては3作目。

2013年に発売された前作「гипноза(Gipnoza)」のときも発売日から1ヶ月遅れての購入だったが、今回も1ヶ月以上買うのが遅れてしまった。
いや、今回は遅れたというよりもちょっと様子見していたというのが正直なところ。

オフィシャルサイトでダイジェスト版を聴いた時に、前作のようなぶっ飛んだ印象があまりなかったので、「今すぐ買いたい!」という気があまり起こらなかったからだ。

核P-MODELアルバム「回=回」ダイジェスト試聴(オフィシャル)

どうだろう?
今までの核P-MODELとはちょっと違うような印象を受けないだろうか?
もちろん悪い意味ではなく、雰囲気が変わったという意味で。

しかしCDを買って10曲全部聴いてみると、やはりさすがというか名曲揃いだった。
P-MODEL時代を思い起こさせるエレキギターの旋律、平沢ソロを思い起こさせる雄大なメロディ。
今までの核Pと比べてもソロアルバムとの違いがさらに明確ではなくなってきた、と感じたのは気のせいではなかったようだ。

CDの宣伝文句にも「中期〜改訂期をまたぐP-MODELの亡霊と、ソロプロジェクトの不均衡的整合のモンスターが出会う...」と書かれていたが、いずれソロに統一されるのだろうか?

とりあえずまだ歌詞カードをシッカリ読んでいないので、音楽を聴いた印象だけだが・・・

1曲目は「回=回」
アルバム「ビストロン」や「点呼する惑星」と同じく、インストゥルメンタルで始まった。
エレキギターのうねりとエフェクトボイス、ループするメロディが何かの始まりを予感させる。

2曲目の「遮眼大師」はテンポは小気味よく日本語のノリも良いが、雰囲気は重い。
説法とかマントラとか言っているので、仏教への皮肉が込められているのかな?

3曲目は、現在アニメ化プロジェクトが進行中の故・今敏監督原作の作品「OPUS」のテーマ曲。
混沌というか殺伐というか、爽やかな物悲しさを感じる良曲。

4曲目の「TRAVELATOR」はなんとなく「聖馬蹄形惑星...」「MURAMASA」的な曲とも言える。
とは言ってもこの2曲ほど突き抜ける感じはなく、なんとも淡々とした、トラベレーター(動く歩道)に乗せられているような感じ。

5曲目の「亜呼吸ユリア」は賑やかなリズムと美しいメロディによる、包み込まれるような曲。
聴いていたら何故か、平沢さんが大きな寺院で熱唱している光景が脳裏に浮かんできた。

6曲目の「無頭騎士の伝言」はまさにヒラサワ節って感じ。
同じフレーズを繰り返す、洗脳にも似た言葉の羅列は、ちょっと疲れるけれど考えさせられる。

7曲目の「ECHO-233」は、ヒラサワ曲でエコーと名が付けばこういう雰囲気だなと妙に納得させられる。
歌詞も美しいが、相変わらずの美声に心底酔える曲。

8曲目の「幽霊飛行機」はガチャガチャとした疾走感が心地よい曲。ちょっと最後が物足りないけど。
それにしても「飛行機」という古臭い言葉も平沢さんが言うとカッコ良く聞こえるから不思議だ。

9曲目の「PLANET-HOME」はしっとりとしたバラード。
歌い出しは「オオオ〜♪」って歌っているのかと思ったら「ホーム」って言っていたんだね。

10曲目の「HUMAN-LE」はラストにふさわしい爽やかな曲。

今回も縦横無尽音階と難解でありながら奥深いフレーズのてんこ盛り。
ただCD一枚を聴き終わったあとに頭にちょっと疲れが残ったのは何故だろう?
それと、溜まったものを吐き出したかのようなスッキリ感がなかったのも何故だろう?

私の場合、見たことのない映画のサントラを聴いたときに同じような感覚になることがあるが、ビストロンでは独裁と戦争、Gipnozaでは天災と事故といったイメージがあったが、今回のアルバムは情景があまり浮かんでこなかったからかもしれない。

浮かばないなら浮かばないなりに「アンチ・ビストロン」や「それ行け! Halycon」のようなハジけた曲があれば良かったのだが、ちょっとシリアスにまとまり過ぎていたかな?

とはいえ、今回のアルバムも全曲が名曲であることには違いない。
特にラスト曲の「HUMAN-LE」には心洗われた。

by rukachas | 2018-10-20 23:16 | 音楽の話